こんにちは、嵯峨駿介です。
以前書いた記事についてもう少し具体的に書いてみようと思います。
基本的にはセットアップメソッドに書いてあることと同じですが、5弦ならではの工夫があります。
例えば弦高を設定する際、34インチでJBスタイルのベースの場合は1弦を2.0mm以上にすることをオススメします。
この状態でバランスを取ると、僕の方法では4弦では2.5mm前後になります。
太い弦になるにつれて0.1mmちょっとずつあげるイメージです。
そして5弦ですが、これは2.7mm~2.8mm程度にあげます。
数字上少しの不自然さはありますが、5弦の音程感を保つためにこういった工夫をしているミュージシャンはとても多いです。
ここで、
「だったら弦高あげまくったら5弦鳴るんでしょ??」
と、なるかもしれませんが、それはそれで問題があります。
張力が強くなりすぎると、振幅は小さくなり鳴り方はタイトになりますが、倍音の少ない基音がとても強い音になってしまいます。
これはその弦のゲージ、チューニングに適正な張力が与えられていない、ということですね。
弦の振動を阻害してしまっているわけです。
※ここでいう張力とはチューニングではなく、弦のテンションのかかり方です。
テンションバーや弦高を高くすることで、弦に対して垂直方向のテンションが大きくなり、それをテンション感が強い、と表現することがあります。
なので、あまりにもB弦のために弦高をあげる行為は最低限に抑えましょう。
音程感がしっかりと出る範囲で、垂直方向の張力を調整して弦の鳴り方を調整するイメージです。
弦高と並んで重要な調整になるのはネックのリリーフです。
適切な範囲内での調整ですが、僕の場合は4弦ベースやギターと比べてB弦を張った5弦ベースはもう少しリリーフを取っています。
振幅が太ければ太いほどその弦が振動するスペースが必要になるので、4弦と5弦でそのスペースを調整する必要があるのは当然ですね。
弦振動に関する調整の大部分は上記の通りです。
この次に調整するのがPUの高さです。
基本的にはこの記事の通りです。
低音にもう少し音程感を、というところにフォーカスすると、僕はリアピックアップを少し高めに調整します。
より振幅の小さい、硬いサウンドの部分を多めにすることで音程感を出すことができますね。
さて、ここまで調整していい結果が得られない場合、原因は2つ、弦かベースです。
弦が死んでいる、ねじれている等、弦に問題があるかもしくはベースがしょぼいか(笑)
案外弦交換であっさり問題が解決するパターンも多いです。
テーパーコアの弦を使うことも非常に有効な手だと思います。
多弦ベースはまだまだ新しいジャンルの楽器なので、これからもどんどん画期的なパーツやリペアが出てくるでしょう。
だからこそ、まだ未開の部分が多い楽器なので非常に面白いです。
何か面白い弦やリペアがあればぜひ、コメントか、こっそりメールかで教えて頂ければと思います(笑)
それではまた。
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