こんばんは、嵯峨駿介です。
自分が使ってるベースの歴史、知ってますか?
きっと歴史とか構造とか知ってた方がうまくなるんですよ。
上手いベーシストってオタクでしょ?
・・・そういうことなので、今回はなかなか資料も出てこないプレシジョンベースの歴史について書いてみようと思います。
(ウィキペディアの書き写しにはならないように気をつけます・・・。)
プレシジョンベースは言わずと知れたフェンダーが開発したエレキベースです。
フェンダーは1950年にブロードキャスターを発売しています。
(かっこいい。)
その翌年、1951年にプレシジョンベースを発売。
特徴としては、
・フレットがついている
・小さい
・ワンピースネック
・アッシュボディ
・ブロンドカラー
・弦は裏から張られ、2本の弦が同じサドルに乗る
・ピックアップはシングルコイルが1発
となります。
違和感ありますか?
フレットがついてる?小さい?
当たり前に感じるこれらを当たり前に感じさせているのがフェンダーです。
ちなみに、フレットがついたことで音程が正確になったことで、precision(精密な)bassという名前になっています。
・フレットがついている ・小さい
これらはウッドベースに比べて、ということですね。
・ワンピースネック
これは指板とネックが一体化しているものです。
現代においてはトラッドなデザインのものにしか採用されない仕様です。
通常、トラスロッドを指板を使って塞いでいますが、ワンピースネックの場合はネック裏からトラスロッドを仕込み、その溝はウォルナット材で塞ぎ、このストライプ模様を、スカンクストライプと呼びます。
・アッシュボディ ・ブロンドカラー
これらがなぜそうなったのかはわかりません。
ですが、フェンダーは合理的な工場生産を推し進めたメーカーです。
そういった意味でコスト面で他より優れていたのではないか、と予想できます。
・弦は裏から張られ、2本の弦が同じサドルに乗る
こういうことです。
最近、裏通し裏通しと流行りましたが、そんなの数十年前にもうやってたわけです。
・ピックアップはシングルコイルが1発
まだスプリットコイルではなく、シングルコイルですね。
かっこいいです。
さて、そんなプレシジョンベースですが、54年には第一弾アップデートがありました。
・ボディにコンター加工
・外周Rをより大きく
・2TSのカラーが加わる
・ボディにコンター加工 ・外周Rをより大きく
これらはより弾きやすくする加工ですね。
コンター加工とはボディトップの上腕が当たる部分やボディバックのお腹に当たる部分の削り込み、外周Rとはボディの外周の丸みの大きさです。
最初は角をとったくらいの外周Rでしたが、あたっても痛くならない、優しいボディに。
・2TSのカラーが加わる
これです。
(ひゃー、かっこいい)
さらに57年にはもっともっと変わります。
・ヘッドがストラトタイプのヘッドに
・ボディがアルダーに
・ピックガードの形状が変わり、材はゴールドアノダイズドに
・ピックアップはスプリットコイルに
・弦がブリッジの後方から張られるようになる
・ヘッドがストラトタイプのヘッドに
これが
こうなります
見慣れた形になってきましたね。
・ボディがアルダーに
安かったのでしょうか。
・ピックガードの形状が変わり、材はゴールドアノダイズドに
これが
こう!
だんだんとモダンになってきました。
ゴールドアノダイズドはこの金ぴかなかっこいいやつです。
オリジナルのピックガードも渋くてかっこいいですよね。
そういえば以前プロベーシストの鈴木渉さんの依頼で、G&Lのベースにオリジナル風のピックガードを製作しました。
(違うのつけてましたけど)
(渉さんのこの小さいのもやりましたね。)
(そんな仕事も受けてます!)
続きまして、
・ピックアップはスプリットコイルに
お馴染みの形ですね。
もはやこちらがスタンダードです。
シングルコイルからスプリットコイルになることで、サウンドはパワフルに、ノイズは少なくなります。
そこらへんはこちらで(ピックアップの繋ぎ方ひとつでサウンド激変!)
・弦がブリッジの後方から張られるようになる
お馴染みのブリッジになりました。
これに伴ってサドルも各弦に1つずつ付きましたね。
これで正確なイントネーションが得られやすくなりました。
だいぶモダンなベースになりましたね。
ちなみにこの前年までのプレシジョンベースをオリジナルプレシジョンベース(OPB)と呼ばれ、それ以外とは区別されています。
こんなところでしょうか。
随分長くなってしまいました。
ハイエンドベースの流行も落ち着き始め、原点回帰の動きもある昨今のベース業界です。
流行る前に市場の良いOPBを探してみては?
渉さんの言葉を借りて、
「back to basic」
それではまた。
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